ボウリングのスコアでは平均値を表すアベレージ200以上がひとつのステータスとなっており、日本プロボウリング協会JPBAが実施しているプロテストの男子の合格ラインもアベレージ200となっています。
そんな中で、ストレートボールだけでアベレージ200を超えられるのか気になるところです。
ストレートボールは初心者の方でも簡単に投げることができ、軽く腕を振り上げてボールの重さに任せて真っ直ぐ振り下ろすだけです。
ど真ん中の1番ピンに勢い良くボールが激突してストライクを叩き出すのは爽快で、これを連続で繰返すことができればパーフェクトを達成することを夢見るボウラーもプロアマ問わず少なくありません。
レーンに表記されているラインに合わせて一直線にボールが進めば最前列の1番ピンに正面から当たれば、理論的にはストライクを連発してパーフェクトを叩き出すのを想像してしまいがちですが、実際にはそう上手くは行きません。
レーンにはオイルが塗布されており、コンディションによっては滑って横に曲がってしまうことがあります。
また、レーンの木製の板は専門業者の職人によって敷設されているので精度が高いとは言え、気温や湿度の影響を受け多少の歪みが発生することもあります。
それらの環境が影響して、完璧なフォームで直進するボールを投げることができたとしても、必ずしもストライクにならないのが現実です。
さらにピンが残ってしまった場合にスペアを取るためには1本だけならば文字通りピンポイントで狙うことができますが、複数のピンが離れて残るスプリットになってしまった場合には物理的にも残り全てのピンを1投で倒すのはほぼ不可能で、どこかで必ずカーブを掛けて倒さなければならない場面が訪れます。
プロボウラーの世界でも直線的なボールばかりを投げる「ストレートボーラー」の選手も僅かに存在していますが、プロテストの合格ラインのアベレージ200前後で頭打ちとなっているのが現状です。
全てのレーンコンディションが一定で、全ての投球でストライクを叩き出す、あるいは簡単に倒せる範囲のピンが残ってスペアが取れるケースが続けばハイスコアも夢ではありませんが、レーンコンディションは気温や湿度の影響を大きく受け、投球が行われるたびにオイルの一部が剥がれてボールに移るなど刻一刻と変化するだけではなく、余程の強靭な肉体を持っている人物でも無い限り同じフォームで強さと方向が同じボールを投げ続けるのは極めて困難を極めます。
プロの選手の一部には、1本のピンをピンポイントで狙ってスペアを取るために直進性の高い専用のボールを利用して投げるケースもありますが、それはあくまでも確実にその方法でスペアが取れると確信できたここぞという場面のみ行われる方法です。
一般的にはストレートボールだけ投球した場合のアベレージは良くても170から190程度、レーンコンディションが上手くはまり、かなり上手な方でも200程度が限界のようです。
逆に言えれば、スコアに伸び悩んでいる方がストレートボールをマスターすれば190程度のアベレージを狙うことも不可能ではありません。
あくまでも過渡期のテクニックであることから、まずは190程度の一定のスコアを目指し、成功体験をしながら新たにカーブボールなどのスキルを磨いてさらなるスコアアップを狙うのも初心者の方がボウリングを楽しむためのひとつの方法です。
最後に結論を言えば、いずれにしてもストレートボールだけでアベレージ200を超えるのはレーンコンディションと努力次第で不可能ではありませんが、その先は多くのケースで伸び悩みスコアアップは困難を極めます。
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